TM Pavilion

"Basket Monster"(仮)

そろそろSScaになって一年が経過する。

​振り返ってみると色々削ったなと思う。

スツールから始まり、木を見立てたコートハンガーを。

夜のイベントではグラスホッパーを使った行灯を。

マーケット専用の組み立て分解テーブルとベンチ、

 

木製のテントは久しぶりに総合送りミシンを使った。

 

原発関係の架台やイベントで大きめの櫓と専用スツール

トランクマーケットでは初のパビリオン。その後すぐに神社挙式のテーブルを18台

​その間様々なプロトタイプを作った。

​ここでは先ほど触れたトランクマーケットでのパビリオンについてまとめていこうと思う。

The Trunk Market

年2回 (5月・11月)

平均70~75店舗

(日本中からの出店)

​来場者数は約2万人

私達は普段デジタルファブリケーションという技術を使ってモノを作っている。

デジファブは主にレーザーカッター、3Dプリンター、CNCの3種類あるがその3大技術の中で私達がよく使うのは木材を削るCNCだ。

Shopbot

トランクマーケットでのパビリオンもこのCNCで切削している。
​順序としてはこんな感じだ。

 

CAD

CAM

CNC

construct

主になっているのが3DCADでデザインを3D化し限りなく現実に近い形でCG化してくれる。

ソフトをいくつか横断し、CAMという木材を削りだす経路を作るソフトも2種類を使い、こういった資料を作るのにレンダリングや動画編集ソフトをまた経由していく。

いくつものソフトやアプリを経由して目的のモノを作る。これがデジファブの日常。

​下図はいつものワークフロー。

CAD

CAM

CNC

construct

ところで公園によくある風景のこういう場所、ご存じだろうか。

屋根なのか陽から守ってくれるのか良くわからないが公園でよくみるこれはパーゴラという。

この仕事で初めて知った。

ここにステージが毎年建設される。

見ての通りここをトランクマーケットにふさわしい「触れたことない新しい感覚」を多くの人に感じていただかなければならない。今回はここにパビリオンを仮設するという大仕事だ。

SScaの一年の集大成としてはいい機会だ。

決定から2か月しかないのでデザインリサーチは「用途」に応じたものにした。

 

・ステージとしての用途、

・アーティストの控室

・PAの機材とステージチェック

​ここから大田設計事務所は数々のSTUDYを経るたび私達と打合せをしやっと右下の四角ルーバーに辿り着く。

若干の変更はあったものの

ほぼ計画通りの予定で進むことができた。

​下記が今回のプランである

ここからSScaの出番で、VcarveでのCAMとCNC切削に入る。

パーツには全てナンバーが切削で振られて全部で708ある。

合板の枚数は80枚近くになり、奇跡的にハイエースで運べる重さのギリギリの総重量だった。

 

まず仮想組み立てに入る。

いきなりだが、3D上で組み立てるもののどうもうまくいかない。

初回は切欠き部分の寸法を計測し3Dと照らし合わせるもどうも一致しないので少し手直しをしてもらった。ナンバリングの問題だったのですぐに修正してもらう。

材料費を考えると失敗は許されないので、結局切欠き部分の寸法をCAD上ですべて計測し合致したらCAMに回しできたものから切削に入った。ライノでの計測回数は3000回前後くらいだろうと思う。自分がデザインしていないので上がってきたものと向き合うしかない為どうしても作業時間が重複してしまうところが分業の宿命だろうか。

角から切欠き部分までをひたすら計測する。

大小の板があるがほとんどすべてを計測した。

これによってグラスホッパーが本当に正しく制御されて、パラメトリックな形状を生み出していることを感じた。

切欠き部分以外のピッチが全て違うので間違えてはめ込もうとすると必ずその先ではまらなくなる。

すべてをナンバリングしないと組み立てに支障が出る。
おそらくデジファブでのパビリオンはみな同じではないかと思う。なので1000パーツあれば1000までのナンバーが振られている。

​そうすることで今日組まれたチームであっても組み立てることが可能になる。

01グループからモックアップに入る。

切欠き部分を多めにオフセットしていたため隙間が生じてしまい後に修正することになった。

​カーブに入ったところで多めにとっていたオフセットをまた1㎜ほど少なくした。

8段全てを組み上げたとき、すり鉢形状の予想以上の広がりにそれなりの重さが感じられ自分の技術でこれを抑えることに不安を覚えた。

 

後日大田さんにモックアップを見てもらい仮設可能だと答えてもらったので安心して切削に入る。

切削初期は日に数枚くらいだったものが最終的には10枚前後まで切削できるようになっていた。慣れたころに仕事は終わるとよく言ったものだ。

結局80枚切り終えるのに二週間かかっていた。

組立はきちんとパーツを配置し、段取りすることで完成までの時間を大きく短縮できる。

​段取りのでやり直したことも数々ある。

​4段目までは本当にすぐ出来上がったが、身長を超えるくらいになると急に難しくなってきた。外に倒れようとする為、このあたりから固定木材などを組み、パーツを木材や、ロープで支えながらなんとか完成に漕ぎつけた。気づいたら23時になっていた。

翌日に手直しを施し完成。

​有能な人々に助けられ無事に仮設することができた。

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